山中研究室
指導教員 | 山中 卓 准教授 |
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テーマ | ファイナンスの理論と実証に関する研究 1.信用リスク評価に関する研究 2.資産の価格評価と投資における意思決定に関する研究 |
研究内容
当研究室では主に金融分野の諸課題を、確率論、統計学、数値解析や最適化理論にわたる数理科学の知見に基づいて解決する方法を探っています。
そのような取り組みを行う学問分野は数理ファイナンスや金融工学と呼ばれています。数理ファイナンスや金融工学の中には様々な研究テーマがありますが、当研究室では定量的金融リスク管理を主なテーマとして研究を行ってきました。企業が倒産したり株価が下落したりするのは困ったことです。しかもそれは、起こることが前もってわからないので、とても厄介です。そのような金融リスクの顕在化を予測し管理する方法を、数学的基礎の上に確立することを目指しています。
これまで取り組んできた研究テーマの一部を以下に紹介します。
信用リスク評価に関する研究
金融機関の経営では、資金の提供先である企業の信用リスク、すなわち倒産や信用力の変化が生じるリスク、を評価することが必要になります。当研究室では、企業の売上や利益の変動等に注目して倒産のメカニズムを表現する確率モデルを構築し、実際の企業データ等を利用してその検証を行ってきました。
また、企業活動に関連した種々のデータに対して統計的な手法を適用した信用リスク評価モデルの構築も行っています。
個々の企業の信用リスクを評価するだけでなく、マクロ的な視点から信用リスクの動向を予測する手法も研究しています。
資産の価格評価と投資における意思決定に関する研究
資産の価格が決まるメカニズムを数学的に表現する方法を、実際のデータを用いた分析も行いながら、研究しています。関連して、複数の資産に投資する際に各資産の投資額をどのように決めるのが最適なのか、といった問題についても研究しています。
社会の様々な課題を数学の問題として表現して解決を目指す学問領域は数理工学と呼ばれています。数理ファイナンスや金融工学も数理工学の一分野として位置付けられます。数理工学は特定分野の課題解決にとどまらず、分野横断的な数理的手法を生み出してきました。当研究室においても金融分野の研究を通して得た成果から他分野にも適用し得る知見を見出すことを志向しています。
研究者情報
准教授:山中 卓 | |
学位 | 博士(情報理工学) |
所属学会 | 日本応用数理学会、日本金融・証券計量・工学学会、日本統計学会 |
研究分野 | 数理ファイナンス、金融工学 |