在籍状況・卒業後の進路
在籍者数(2020年4月1日現在)
男子 | 女子 | 計 | |
1年生 | 69名 | 37名 | 106名計 |
2年生 | 57名 | 51名 | 108名 |
3年生 | 92名 | 56名 | 148名 |
4年生 | 67名 | 34名 | 101名 |
合計 | 285名 | 178名 | 463名 |
卒業後の進路
主な就職先
- 日立製作所
- リコー
- 富士通フロンテック
- コニカミノルタジャパン
- 中外製薬
- 和研製薬
- ヤンセンファーマ
- 関東化学
- 大日本印刷
- 東京インキ
- メニコン
- サンスター
- フジパングループ
- NTTデータMSE
- りそな銀行
- 明治安田生命
- 日本航空 など
※2019年度
卒業生インタビュー
化学・生命科学科での学びを経て
私は青学で9年間学び、博士後期課程を取得した後、現在の会社に就職しました。入社後は、酪農現場で牛に与えるエサの開発や技術サポートを行う飼料研究グループに所属して4年目になります。
牛には4つの胃袋があることをご存じですか?4つの胃袋のうち1つにはたくさんの微生物が飼われていて、牧草を分解させることで栄養を取っています。また牛のエサには、微生物の力で牧草を発酵させた「サイレージ」というものを使うこともあります。漬物状にして保存することで、牧草の収穫できない時期にも安定したエサを牛に給与することができます。私の会社では、牧草の種や配合飼料、牧草を発酵させる乳酸菌などの開発・販売を行っていますが、これらの微生物の働きを理解することがとても重要です。
こういった微生物の働きに関する専門知識は、化学・生命科学科の4年生から配属された阿部文快研究室での微生物の研究で培われたと感じています。研究室では、研究に情熱的な阿部先生の自主性を大事にする方針と的確なアドバイスのもと、世界でまだ誰も知らないことを研究する経験ができました。パンやお酒など身近な食品にも使用されている出芽酵母を使い、水深2500 mの深海に相当する高圧力下で行った研究に対しては、とても興味深く取り組むことができたと思っています。より深く研究したいという想いから修士課程・博士後期課程へと進学しましたが、未知の分野への挑戦過程で多くの知識や考え方を身につけることができ、現在に役立っていると実感しています。
また、製品開発には深い専門的な知識の他にも、栄養分析などを扱う上で基本的な有機化学や分析化学の考え方が必要になります。化学・生命科学科では、4年間で幅広い分野について学んだ経験が役に立っていると感じています。
授業や実験の経験から苦手を克服
私は幼い頃から生き物が好きで、高校では理科の授業が一番得意だったことから、大学は理系に進もうと早くから決めていました。入学するまでは、化学や生物以外の科目についてはあまり興味を持てませんでしたが、授業や実験を経験したことで、苦手だった分野も関心を持って学ぶことができ、苦手意識を払拭できました。昨年、入社以来所属していた基礎研究寄りの部署から、製品開発を行う部署に異動しましたが、戸惑うこと無く仕事に向き合えたのは、苦手な分野の科目にも前向きな気持ちで臨んだ経験が活きたからだと思います。
大学の授業で印象に残っているのは「無機化学」です。無機物が環境問題に関わっていることにおもしろさを感じました。単に知識を習得するのではなく、学びを通じ無機化学が実社会とどう結びついているのかが自分の中でイメージできたことで、モチベーションを持って学ぶことができました。
この授業がきっかけで、大学4年から大学院まで重里先生の「先端無機薄膜研究室」に所属し、スマートフォンで使われる薄膜の研究を行いました。
研究室で学ぶうちに、「ものづくりを通して、世の中に貢献したい」という思いが芽生え、メーカーを就職先として考えるようになりました。最初は車や家など、大きなものの開発にやりがいがありそうだと思ったのですが、「世の中に貢献していることを直に感じたい」「家族や友人など身近な人に喜んでもらいたい」という思いから、日用品の製品開発を行っているライオンに決めました。
現在は歯ブラシ「クリニカ」の開発に携わっています。歯ブラシには、歯を磨く機能のほかに、持ちやすさや磨きやすさなど、開発のポイントがいろいろあります。私は試作品を作り、清掃力や磨き心地の評価をしているのですが、開発スピードはとても速いうえ、自分の決断が及ぼす影響は学生時代とは比べものにならないほど大きく、責任を感じながら仕事に取り組んでいます。
社会人としていろいろな経験を積むほどに謙虚でなければと感じるのですが、そんな時ふと頭をよぎるのが、「キリスト教概論」で学んだ「人は自分の目の中の丸太に気づかない」「求めれば与えられる」という聖書のフレーズです。自分自身を律したり、前向きさを取り戻すきっかけになっている気がします。
入社して6年が経ち、新入社員から中堅社員という位置づけになってきましたが、これからも青山学院大学で学んだ知識や経験を活かしながら、成長していきたいと思います。