青山学院大学 理工学部

DEPARTMENT研究室紹介

レーザー光化学研究室

指導教員 鈴木 正 教授
柏原 航 助教
テーマ 1.超音速ジェット分光法を用いた分子やクラスターの構造 
2.置換核酸塩基の構造と緩和過程~光線力学療法への展開~
3.非ステロイド系抗炎症薬の薬剤性光線過敏症初期過程
4.マイクロリアクターを用いた光反応・光不斉反応と光触媒反応 
5.酸素の衝突誘起吸収~大気化学への挑戦~

研究内容

光は分子や原子と相互作用して、分子の構造や電子状態、反応中間体に関する様々な情報を我々に与えてくれます。研究室では、エネルギー分解能や時間分解能、空間分解能に優れるレーザー光を用いて、分子の構造や化学反応ダイナミクスに関する研究を行っています。

超音速ジェット分光法を用いた分子やクラスターの構造

フレキシブルな置換基を持つ化合物や水とのクラスターの構造をどうしたらわかるでしょうか。弱い水素結合やクラスター構造を通常の方法で調べることは困難です。超音速ジェット法を用いて絶対零度近くまで分子を冷却し、レーザー分光によって様々な分子構造に関する情報を得ることができます。

置換核酸塩基の構造と緩和過程~光線力学療法への展開~

DNA は遺伝情報を保持する生体高分子であることはよく知られています。DNA 塩基を化学修飾したものを用いて、正常な細胞には影響がない波長の光を照射して、例えばがん細胞を消滅させる。その反応機構について研究しています。チミンやグアニン誘導体に治療に効果的な反応があることが分かって来ました。

非ステロイド系抗炎症薬の薬剤性光線過敏症初期過程

皮膚上で薬剤に紫外線が当たり、炎症やアレルギー症状が出ることがあります。これは薬剤性光線過敏症と呼ばれています。この光線過敏症を引き起こす反応の最初の反応過程を調べています。

マイクロリアクターを用いた光反応・光不斉反応と光触媒反応

マイクロメーターサイズの流路を持つ反応容器は、単位体積あたりの表面積が極めて大きく、その特性を活かして光触媒反応/光不斉反応に応用しています。

酸素の衝突誘起吸収~大気化学への挑戦~

衝突誘起吸収は分子どうしが衝突している瞬間にのみ起こる微弱な光吸収です。酸素の衝突誘起吸収は大気化学において重要な役割を果たしますが、光吸収がどのように起こっているのかは良く分かっていません。私たちは、酸素の衝突誘起吸収を音でとらえる光音響分光法に着目し、物理化学の観点からこの光吸収について明らかにすることを目指しています。

左:非ステロイド系抗炎症薬ケトプロフェンの光反応 右:高音響分光法の測定装置

研究室オリジナルサイト

研究者情報

教授:鈴木 正
学位 博士(理学)
所属学会 日本化学会、光化学協会、光医学・光生物学会、分子科学会、日本分光学会
研究分野 物理化学、光化学
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助教:柏原 航
学位 博士(理学)
所属学会 日本化学会、分子科学会、光化学協会、日本大気化学会
研究分野 分子分光学・大気化学
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