小野田研究室
指導教員 | 小野田崇 教授 伊藤 崇 助教 |
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テーマ | 機械学習の研究 1.腕金さび画像に基づく腕金再利用自動判定 2.トランスダクティブ推論に基づく検索の効率化 3.アンサンブル学習 |
研究内容
計算機の高速化、メモリの大容量化によって、学習アルゴリズムの計算機実験が容易になり、様々な機械学習アルゴリズム提案されるようになってきました。そのような状況の中、機械学習アルゴリズムを利用した実世界問題の解決を目標として、新たな機械学習アルゴリズムの開発、機械学習アルゴリズムの特性を活かした新たな問題解決法の開発を研究中です。
また、機械学習と人間の有する経験知識とのインタラクションによる問題解決の効率化についても研究しています。具体的には機械学習を利用した設備診断、外れ値検出による保守保全のスク管理、サポートベクターマシンに基づくデータベースの構築・管理、トランスダクティブ推論に基づく検索の効率化、アンサンブル学習の理論と応用など人工知能・機械学習の理論と応用について研究中です。
以下に研究の一部を紹介します。
腕金さび画像に基づく腕金再利用自動判定
人工知能や機械学習の技術を応用したシステムの研究開発も行っています。例えば、皆さんの身近の配電柱にある「腕金」(電線が張られているがい子を支える金属の中空角柱)は、コスト面、環境面から考えるとできるだけ廃棄せずに使用を継続したい部材です。しかし、強度的な問題があるものは危険なので使いたくありません。強度的な問題があるかどうかを「腕金」の錆の撮影画像から高精度に判別するツールを研究開発しています(左図参照)。
具体的には、左図にあるように工事等で配電柱からはずされた腕金の錆のひどい部分を数箇所フード付のデジタルカメラで撮影し、再利用できるかどうかの判定を正確に行うツールを研究開発しています。フード付のデジタルカメラで撮影した画像を用いた場合、再利用判別において非常に高い正解率を実現しています。現在はフード付のデジタルカメラが利用できないような撮影環境での画像を用いた場合に高い正解率を達成できる方法を研究開発しています。
トランスダクティブ推論に基づく検索の効率化
従来のキーワードを利用する文書検索ではなく、検索結果に対するユーザの評価(この文書「いる(○)」または「いらない(×)」)に基づき、ユーザの興味のある文書を効率的に見つけ出す方法(対話的文書検索方法)の開発を行っています(左図参照)。
特許情報についてのデータベースや研究論文についてのデータベースなどを検索する際、簡単なキーワードを入力すると大量の文献が検索結果として提示されて困ってしまい、逆にちょっと専門的なキーワードを入力すると該当する文献がなくなってしまって困るという経験をしたことがないでしょうか。
このような問題を解決するため、我々は検索結果に対するユーザの評価をすぐに反映させ、ユーザの興味のある文書を効率的に見つけ出す対話的文書検索方法について研究しています。特に、ユーザが評価していない大量の文書とトランスダクティブ推論との融合により、ユーザの興味のある文書をさらに効率的に見つけ出す対話的文書検索方法を研究しています。
アンサンブル学習
本研究室では、複数の弱学習仮説(弱識別器)の推定結果を統合してロバストな推定結果を出力するアンサンブル学習(下図参照)のアルゴリズムの改良およびその数理的な特徴の分析の研究開発に取り組んでいます。
アンサンブル学習は、基本的に弱学習仮説をいかに獲得し、弱学習仮説の推定結果への重み付けをいかに決定して、それら弱学習仮説と推定結果への重み付けを利用していかに推定結果を統合させるかという問題です。このアンサンブル学習を実現する代表的なアルゴリズムとして、Bagging(Bootstrap aggregating)やAdaBoost(Adaptive Boosting)があります。
我々は、実験的にその汎化能力の高さが様々な文献で示されているAdaBoostに注目し、その数理的な特徴を分析するとともに、その汎化能力を更に向上するようなアルゴリズムの研究および学習を高速化するアルゴリズムの研究に取り組んでいます。
研究者情報
教授:小野田崇 | |
学位 | 博士(工学) |
所属学会 | 人工知能学会,電気学会 |
研究分野 | 機械学習の理論と応用,設備診断,サイバーセキュリティー,HAI |
助教:伊藤 崇 | |
学位 | 博士(情報学) |
所属学会 | IEEE,電子情報通信学会,日本品質管理学会 |
研究分野 | 知能情報学,感性情報学,教育工学 |