学科の特徴
数学の目標は、厳密な論理のもとに現象を捉え、数式を使って表現し、対象の背後にある構造を明らかにすることです。代数学から発展した暗号理論が情報セキュリティの分野において重要であり、確率過程が経済や金融の理論において基本的な役割を果たすなど、社会における数学の役割は高まるばかりです。情報関係や金融関係企業は、学校や教育関係企業とともに、数学・数理科学を専攻した学生の重要な就職先です。
本学科では、代数学、幾何学、解析学、確率論などの純粋数学から生物数学、数理ファイナンスなどの最新の応用まで、幅広い範囲をカバーして教育・研究を行っています。1年次、2年次では丁寧な講義と豊富な演習により基礎力と問題を解く力を身につけることが主眼で、3年次から、専門に、ときには研究の最先端に近づいていきます。学生が自分で考える力と習慣を育てたいと考えており、そのために議論と対話を重視しています。
学びの分野
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硬貨投げと熱方程式
硬貨を投げた結果により上または下に進むランダムな運動を乱歩といいます。進む幅を小さくし硬貨投げの回数を多くすると連続的な運動が得られ、これは熱方程式という微分方程式に関係します。株価や交通渋滞のモデルを与えるなど、興味深い研究対象です。
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かたちや図形…対称性の美しさ
アルハンブラ宮殿のタイル模様や正多面体には高い対称性があり、美しいですね。実は方程式や空間そのものにも対称性があり、そこから相対性理論や量子力学が生まれました。このような「対称性」を用いて図形や方程式を研究しています。
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解ける? 解けない? 微分方程式
自然や社会現象の多くは、微分方程式という数学の言葉で表されます。厳密な解がわからないときは、コンピュータを使って近似解を求めたり、解のおおまかな振る舞いやカオスかどうかを調べたりもします。
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おとぎの国の関数たち
高校で学ぶ三角関数や指数関数の仲間に、楕円関数や超幾何関数と呼ばれるものがあります。この魅惑的な関数たちの振る舞いや関係式をさまざまに調べていると、おとぎの国を散策している気分になります。
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数理科学を駆使して社会の課題を解決する
数理科学は社会の諸課題の解決に役立ちます。データ科学の基礎である確率統計や機械学習の理論と実践手法はその一例です。課題の本質を数学の問題としてとらえ、解法を生み出し、よりよい社会の実現に貢献します。
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幾何を楽しむ
険しい山、緩やかな丘、何が違うのでしょうか。一見ほどけそうにない紐も実はほどけるかもしれません。幾何の題材です。明日の天気も天気図を見ると類推できますね。図形を見た方がわかることもあるのです。