松田研究室
指導教員 | 松田能文 准教授 |
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テーマ | 群作用の力学系に関する研究 |
研究内容
群作用の力学系に興味があります。具体的には、多様体などの位相空間への無限離散群の(微分)同相写像による作用を考えています。可逆な離散力学系は無限巡回群の作用とみなせるので、その一般化を考えているといえます。特に、円周や直線など低次元の多様体への作用に興味があります。
円周への群作用については、回転数の振る舞いに特に興味があります。円周の向きを保つ同相写像の回転数は、周期点の存在など同相写像の力学系的性質を強く反映しています。特に、同相写像の半共役類は回転数により定まります。すなわち、無限巡回群の円周への向きを保つ作用の半共役類は生成元に対応する同相写像の回転数により定まります。従順群の作用についても同様です。
従順でない無限離散群の作用の半共役類は回転数の情報だけでは一般には定まりませんが、これまでの研究で、モジュラー群のフックス群としての作用、およびその5重持ち上げについて、有限個に対応する同相写像の回転数により半共役類が決定される、というある種の剛性を示しました。
現在は、モジュラー群を含む群のクラスである二つの有限巡回群の自由積の作用について同様の剛性を持つものはどのようなものか研究しています。回転数の振る舞いは、近年進展が大きい話題である群作用の離散性と関連しているので、そこへの応用も期待しています。
無限離散群の群論的性質と作用の力学系的性質の関係にも興味があります。これまでに、閉区間の向きを保つC2級微分同相写像のなすポリサイクリック群であって大域的固定点を持たないものはアファイン群の部分群と位相共役であること、トンプソン群Fなど直線の区分的線形同相写像のなすいくつかの群が不変生成(invariably generated)であること(松元重則氏との共同研究)、などを示しました。
研究者情報
准教授:松田能文 | |
学位 | 博士(数理科学) |
所属学会 | 日本数学会 |
研究分野 | 位相幾何学 |