青山学院大学 理工学部

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2016/07/30

澤田真理助教,吉田篤正教授(物理・数理学科)が参加する「ひとみ」国際研究チームが、宇宙最大の天体「銀河団」の高温ガスの運動の直接測定に世界で初めて成功

澤田真理助教、吉田篤正教授 (理工学部 物理・数理学科) は、X 線天文衛星 ASTRO-H「ひとみ」の国際研究チームに参加してきました。国際研究チームは、X線天文衛星 ASTRO-H「ひとみ」打ち上げの約一週間後から開始した観測装置立ち上げ段階で、主観測装置である軟X線分光システム(Soft X-ray Spectrometer: SXS)によって、ペルセウス座銀河団を合計 23 万秒間観測しました。取得されたデータから、SXS は打ち上げ前に見積もっていた以上に優れたエネルギー分解能を達成し、これまでの 20 倍以上の精度で X 線エネルギーを測定できることを軌道上で実証しました。SXS による分光観測で、銀河団中心部の高温ガスの運動をはじめて測定することに成功しました。観測の結果,銀河団中心部で、巨大ブラックホールから吹き出すジェットは高温ガスとぶつかってこれを押しのけているものの、その結果作り出されるはずのガスの乱れた運動は意外に小さいことがわかりました。すなわち高速ジェットが影響を及ぼしているにも関わらず、銀河団中心部の高温ガスは意外に静かであるといえます。

「ひとみ」は JAXA 宇宙科学研究所 (ISAS) を中心として開発されました。澤田助教は、本成果を挙げた「ひとみ」SXS のハードウェア開発・較正に参加してきたとともに、SXS の観測データ処理系の日本側責任者としても大きく貢献してきました。加えて、ペルセウス座銀河団のデータ解析にも直接寄与しています。本研究成果は、7 月 6 日付(世界時)英国科学誌 Nature のオンライン版に掲載されました。研究の詳細は下記リンク(PDF) の報道発表資料をご参照ください。

報道発表資料はこちら