長谷川教授らのグループは、有機分子がレアアースイオンと結合するときレアアースイオンの種類によりその結合の形や分子の形が変わってしまう問題点を解決するべく、レアアースイオンに有機分子の腹巻をまいたような螺旋型の分子を開発してきました。今回、中山博士(コンフレックス株式会社)、後藤仁志教授(豊橋科学技術大学院大学)および加藤昌子教授(関西学院大学)らのグループとの共同研究により、分子が規則正しく配列し、結晶を作るときのパターンを計算科学から推測していくための新たなパラメータを10種のレアアースイオン(元素記号:Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, ErおよびTm)に対して決定し、実験結果とよく一致する構造予測計算に適用できることを証明しました。この成果が高く認められ、この成果に対し、日本化学会からBCSJ賞が授与されました。これを記念し、同論文が掲載されるBulletin Chemical Society of Japan にCover Featureされることも決定し、印刷版に先駆けオンライン版が公開されました。
なお、本研究は、青山学院大学、Conflex株式会社、豊橋技術科学大学、関西学院大学との共同研究であり、文部科学省科研費新学術領域ソフトクリスタル等の助成により行われました。
論文情報:" Computational Studies for Crystal Structures of Helicate Lanthanide Complexes Based on X-ray Analyses",
*N. Nakayama, M. Hijikata, H. Ohmagari, H. Tanaka, Y. Inazuka, D. Saito, S. Obata, K. Ohta, *M. Kato, *H. Goto and *M. Hasegawa,
Bull. Chem. Soc. Jpn., 2021, 94, 2983-2981.
オンライン版:https://www.journal.csj.jp/doi/abs/10.1246/bcsj.20210339
研究室情報:http://www.chem.aoyama.ac.jp/Chem/ChemHP/inorg2/