理工学部では2022年4月、新たな附置研究センターとして「ライフサイエンス研究センター」を設立しました。
ライフサイエンス研究は、生物が営む生命現象の複雑かつ精緻なメカニズムを解明することが目的であり、その成果は医療・創薬の飛躍的な発展や、食料・環境問題の解決など、国民生活の向上や経済の発展に大きく貢献します。ライフサイエンス研究センターでは、未解明の生命現象の発見とその分子機構を解明するための技術開発、微生物や動植物細胞、個体内の分子動態計測と化学的プローブの開発、顕微画像解析や分光学を活用した技術開発など、幅広いスケールの研究を展開しています。既存の原理に基づく技術であっても、計測速度や感度、精度を飛躍的に向上させる方法論もその対象です。さらに、数理解析やコンピュータシミュレーションによる手法を実証的研究に取り入れることで、複雑系における生命現象の解明を加速します。こうした基礎研究を深く追求することが、知識集約拠点としてのライフサイエンス研究センターが目指すところです。
一方、得られた成果を社会全体の利益につなげることも本センターの目的の一つです。そこで、民間企業との共同研究にも積極的に取り組みます。未来のニーズやマーケットを創造することで、本センターは価値創造拠点にもなり得るはずです。人材育成にも力を入れており、助教や助手、研究支援者、大学院生や学生など若い世代の発想を重視しています。
理工学部附置ライフサイエンス研究センター
センター長 阿部 文快