重力波源の電磁波対応天体の探査を宇宙、そして地上の観測機器を用いて行っていくことを研究の柱としています。

2015年にアメリカの Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory (LIGO: ライゴ) によって重力波が初めて検出されました。重力波はアインシュタインの一般相対性理論において予言されたもので、LIGO によって初検出された重力波は太陽の数十倍の質量をもつ2つのグラックホールが合体した時に発生したものであると考えられています。

2017年8月17日には、中性子星同士の合体に伴った重力波からの電磁波対応天体が発見されました。この電磁波対応天体からは、キロノバ放射と呼ばれる重元素合成の過程として不可欠な速い中性子捕獲反応から生成される不安定原子核からの放射と中性子星合体に付随していたガンマ線バーストからの放射という2つの異なる起源を持つ光がひとつの重力波イベントで観測され、研究者を驚かせました。

重力波と光の天文学が結びつくことで、今まさに新たな天文学、重力波天文学が花開いています。